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竹取物語:「かぐや姫の昇天(宵打ち過ぎて~)」のテスト問題の解答


    (1)

    イ)もちづき ロ)うちと ハ)し(れ) ニ)とを

    (2)

    イ)五尺(150センチ程度) ロ)気丈な

    (3)

    イ)副助詞(「さへ」は「~までも」と訳す)

    ロ)満月の明るさを十個も合わせたよう、そこに居る人の毛穴までも見えるほどである。

    (「ばかりにて」の「に」は断定の助動詞なので「~で」と訳し。「みゆるほどなり」の「なり」は断定の助動詞なので「~である」と訳す)

    (4)

    イ)「たる」は存続の助動詞「たり」の連体形、「たり」は存続の助動詞「たり」の終止形。「たり」とくると「完了」の助動詞になる場合が多いが、文脈上「完了」しているのか「進行中」なのかを考えるのは英語も古文も一緒)

    ロ)地面から五尺くらい上がっている(浮いている)あたりに立ち並んでいる。

    (5) イ)「なる」は「存在の助動詞」「なり」の連体形、「なかり」は形容詞ク活用「なし」の連用形。「なかり」と補助活用になっているのは、下に助動詞(過去の助動詞「けり」)が来ているから)

    ロ)受け身の助動詞「る」の連体形。下に「よう」と言う体言が来ているので連体形。また、「る」は「受け身」「自発」「可能」「尊敬」と四つ意味があるが、ここは「受け身」以外で悩む事は少ないだろう。)

    ハ)家の中や外にいる人々の心は、何か魔物に襲われた様子であって、戦い合おうという気持ちもなかった。

    (「おそはるるようにて」の「に」は断定の助動詞なので、「~で」と訳す。「戦はむ心」の「む」は意思の助動詞の連体形であるので、「~のような」と言う意味が入るとなお良い)

    (6)

    イ)連体形(下に「中」という体言が来ているので連体形)

    ロ)上一段動詞「射る」の未然形+意志の助動詞「む」の終止形(「と」は引用である場合が多く、「と」の前は終止形で終わる事が多い)

    ハ)順接の確定条件(原因・理由を表わす) (「けれ」(過去の助動詞の已然形)+「ば」の形は順接の確定条件と呼ばれる。「未然形」+「ば」は順接の仮定条件と呼ばれる)

    ニ)(気力を失って)ぐったりとしている中で、気丈な者が我慢して弓を射ようとするけれども、違う方向(とんでもない方向)に弓矢が行ったので、

    (「念じ」は「念じる」ではなく、我慢するの意味が古文では良く使われる)

    (7)

    イ)打消しの接続助詞

    ロ)存続の助動詞「り」の終止形 (完了・存続の「り」は俗に「り」「か(んりょう)」「さ(変)」「み(然形)」「四(し)「已(い)」と言われる特別な接続だが、「已然形」にくわえて「命令形」に接続する場合もあるので注意したい)

    ハ)戦い合う事もしないで、気持ちはほうけて(呆けて)しまって(天人を)見つめている。

    (「痴れに痴れて」と同じ「痴れ」を重ねて使っている場合は強調の意味であり(英語のmore and more などと同様)、その様な意味が伝わるようにする。 「まもる」も古文単語では「守る(ガード)」と言う意味に加えて「見る(見守る)」と言う意味を押さえておきたい。
    ここで「見る」と訳する事で「何を?」と言う対象が問題になってくるが、 警護の者達がお互いに「見合っている」と言う事では無く、警護の者達をその様な腑抜け状態にさせた「存在」(「おそはるる」→「おそう」存在)に気が付くことになる。
    また、この様なぼうっとした虚ろ(うつろ)な状態になっている状況を考えると、ろ)の「存続」と言う助動詞の存在もこの時点でようやく納得がいくものとなる。 「警護の者同士が守りあった」と言うよりは、「警護の者同士がぼうっとして見つめ合っている」と言う状況の方が誤訳としても未だいけるだろう。
    そう言う意味でここの文法と訳の難易度は高い→だからと言って出るとも限らないが……)

    (8)

    イ)断定の助動詞「なり」の連用形「に」

    ロ)断定の助動詞「なり」の終止形「なり」

    ハ)断定の助動詞「なり」の連用形「に」

    ニ)四段動詞「なり」の連用形

    ホ)格助詞「に」(格助詞は通常「体言」につくが、「結果」や「状態の帰結」を表わすような場合には「連用形」に接続をする。 非常に細かい話ではあるが、学校の先生が授業中に熱く語っているのであれば要注意だろう)

    (9)

    イ)×( 宵打ち過ぎて、子の時ばかり とある。「子の刻」はPM11時~AM1時とされる。AM2時は「丑(うし)の刻」)

    ロ)×( 「おそわるるようにて」とあり、実際に襲われた訳ではない。無論、天人の精神攻撃があったとするのであればそれはそれだが、「天人」=超越した存在であるので、何かをしなくても周りは自然にひれ伏す=支配されると言う「謎」の理屈を覚えておくと良いだろう)

    ハ)×( 無心で射ったのは確かだろうが、それは単純に気持ちが入らないと言う意味での無心なので間違い )

    ニ)×( (7)の和訳を見れば間違いなのは分かるが、このニ)の訳が一番ありがちな誤訳だろう )