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伊勢物語23段:筒井筒(つついづつ)① 品詞分解

伊勢物語23段:筒井筒(つついづつ) 現代語訳


伊勢物語23段:筒井筒(つついづつ) 訳語・文法の解説



    ・田舎わたらひしける人

    → 「田舎わたらひ」「し」「ける」「人」→ 「田舎わたらひ:体言」「し:サ変・連用形」「ける:過去の助動詞・連体形」「人:体言」

    ⇒ 【田舎わたらひ】とは「田舎(地方)を渡る」と言う事から「地方官」を指す。

    ➡ 地方官であった人


    ・大人になりにければ

    → 「大人」「に」「なり」「に」「けれ」「ば」 → 「大人:体言」「に:格助詞」「なり:ラ行四段・連用形」「に:完了の助動詞・連用形」「けれ:過去の助動詞・已然形」「ば:接続助詞」

    ⇒ 【已然形+ば】なので「~~ので」「~~だから」と訳す。「に」「けれ」は古文では二つ繋がって良く出てくる。

    ➡「大人になったので」となる。


    ・はぢかはしてありけれど

    → 「はぢかはし」「て」「あり」「けれ」「ど」 → 「はぢかはし:サ行四段・連用形」「て:接続助詞」「あり:ラ変・連用形」「けれ:過去の助動詞・已然形」「ど:接続助詞」

    ⇒ 「はぢかわし」は「はづかしがる」の複合動詞。【已然形+ど】は「逆説」で訳す。

    ➡「恥ずかしがっていたけれど」と訳す。


    ・この女をこそ得め

    →「こ」「の」「女」「を」「こそ」「得」「め」 → 「こ:代名詞」「の:格助詞」「女:体言」「を:格助詞」「こそ:係助詞」「得:ア行下二段・未然形」「め:意思の助動詞・已然形

    ⇒【こそ+已然形】(「こそ」~「得め」)で係り結びとなり、強調して訳す。

    ➡「この女を是非妻に欲しいと思った」


    ・女はこの男をと

    ⇒「この男を」の後ろに「こそ得め」を補って訳す。(前の「この女をこそ得め」と同じ趣旨に)

    ➡「女はこの男を是非夫に欲しいと」


    ・聞かでなむありける。

    →「聞か」「で」「なむ」「あり」「ける」 → 「聞か:カ行四段・未然形」「で:接続助詞(打消し)」「なむ:係助詞」「あり:ラ変・連用形」「ける:過去の助動詞・連体形

    ⇒【なむ+連体形】(「なむ」~「ける」)で係り結びとなり、強調の意味を持つ。

    ➡「聞かないでいた(聞き入れないでいた)」


    ・かくなむ、

    ⇒「いひおこせたる」が省略されており、補って訳す。

    ➡「このような歌が届いた」


    ・妹

    ⇒[妹]は「いも」と読み、兄弟姉妹の他に結婚相手や妻の事を指し、そちらの方での意味が多かった。(⇒反対に「夫」は「背(せ)」という)


    ・たれか上ぐべき

    →「たれ」「か」「上ぐ」「べき」 → 「たれ:代名詞」「か:係助詞」「上ぐ:ガ行下二段・連用形」「べき:推量の助動詞・連体形

    ⇒【か+連体形】(「か」~「べき」)で係り結びとなる。また「か」は【疑問・反語】の意味であり、「~~であろうか(いやない)」と訳す。

    ➡「誰が結い上げるのでしょうか(いや上げる人はいない)」と訳す。

    [髪を上げる]とは、成人になるの意味。


    ・本意

    ⇒[本意]は「ほい」と読み、「願望」「願い」の意味。([本意なし]と言うのは「残念」の意味になる)


    ・あひにけり

    →「あひ」「に」「けり」 → 「あひ:ハ行四段・連用形」「に:完了の助動詞・連用形」「けり:過去の助動詞・終止形」

    ⇒[あひ]は「逢う」と書き、「結婚する」の意味。

    ➡「結婚してしまった」