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第5回合不合判定テスト:国語化する理科:2020月11月08日
【国語の様な理科】
とは、まさに生徒さんが今回の合不合を評して言ったものなのだが、最近の模試の理科はその手の傾向が非常に強い。
実際にこの模試の問題を見ると、あるはあるは本当に大量の文字(情報)で、国語が嫌いな(文字を読み取るのが苦手な)人からすれば、苦行以外の何物でもないように思われる。
では、その中身はというと(問一は生物だったのだが)文字数は多いものの、【対立形質】という語句に怯えなければ中味的には平易で、正解にたどり着ける問題ではあった。
また、その後の【遺伝子のスイッチの発現】の問題は、表やグラフの整理を諦めずに出来るかがポイントで、これも最初の【対立形質】の問題と同様に”粘り(あきらめない)”が解答に至るかどうかを左右したと思われる。
この手の”国語”の様な問題は、(以前も書いたのだが)直近の現場での生徒さん達の「国語力」への懸念と、入試問題の思考力を問う問題への対応が背後にある。
「思考力」・「表現力」を問うとは言うものの、それはそう簡単な事では無くて、(一行問題でなければ)出された「文章」「数字」「グラフ・図」から「条件」を読み取り「ゴール」を理解をしなくてはならない。
確かに、この能力は重要なのだが、これこそ付け焼刃で習得が可能なものでは無い。
塾・予備校のカリキュラムは、それこそ初等中等教育の集大成と言うべき練られ切ったものが多いのだが、「思考力」「表現力」を伸ばして行くには、導入において「対話」であったり「想像」をするための「時間」という要素も重要になってくる。
その辺が塾・予備校で……となると、大分、様変わりしてくるように思うのだが……多分に、実際的に運用が難しいと思われる。
そういう意味で、まずは、テスト現場で……と思ったりもするのだが、そもそもの今の中学入試の受験における理科(社会)の時間の少なさ(30分前後)が一番問題の様な気がするのである。
(「午後入試」云々という影響によるのだろうが、やはり問題数を多少増やしても50分前後は必要なのでは?と)
とはいえ、長い目で見たらこの手の四谷大塚の問題は悪い訳では無い。
結局の所、人は何か外部的なテストや何かで影響を受けないと進化していくのは難しいので、この手の【国語化する理科】も受験ということを通過しての先の目的(「頭を良くする」)の為には有益であろう。
そして、いみじくも生徒さん自身がノタマッタ様に、何処かで「国語(文字の処理)」に正面から向かい合わないとイケナイと言う事になるのである。
(それこそ、今は言葉としては存在しないが、(「文系数学」などと同じような)【理科系国語】などという言葉が生まれるかも知れない。)