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徒然草71段:「想像と実際」のテスト問題の解答


    (1)

    名を聞くやいなや、直ぐにその人の顔が想われるような気持ちがするのに、

    「聞くより」の「より」は「~~や否や(as soon as)」と訳す。

    「推しはからるる心地」は「推しはから」「るる」「心地」となり、「るる」が未然形に接続しているところから、「可能」「自発」「尊敬」「受け身」となるが、 思い浮かべると言う意味(でないと意味が通じない)から「自発」として訳す。

    (2)

    イ)断定の助動詞「なり」の連用形「に」。(「そこほど」は代名詞であり体言となる。体言+「に」は断定の助動詞。)

    ロ)けん(なお、「けむ」でも間違いとは言えないが、本文中は「けん(「む」が「ん」と変化したもの)」となっているので「けん」とすべき。

    (3)

    イ)断定の助動詞「なり」の連用形「に」。(「おぼゆる」は「おぼゆ」の連体形であり、連体形+「に」は断定の助動詞。また断定の助動詞「に」+「や」の「や」は係助詞となり「にや」(「にか」)と言う形で、「~~であろうか(いやない)」と言う形で訳す)

    ロ)誰もがこのように思うのであろうか。

    「反語」にして「いやない」とすると、「誰もがこのように思わない」と言う意味なるので本文では不適切。

    (4)

    イ)し ( 後ろに体言の「心地」が来ているので連体形に直す )

    ロ)断定の助動詞「なり」の連用形「に」。

    ハ)確かにあった気持ちがするのは、私だけがこの様に思うのであろうか。

    この場合には「反語」にして「私だけが思うのだろうか(私だけではなくて、皆そう思う)」と言う形もありうる。 実際には「疑問」で終了すると解されているが、ここは学校の先生の解釈による方がテスト的に無難であろうか。)

    (5)

    イ)「るる」は自発の助動詞「れ」の連体形。

    ロ)「られ」は自発の助動詞「られ」の連用形(「られ」は四段・ナ変以外の動詞に接続する。「思ひ出で」が下二段活用の未然形なので「れ」ではなく「られ」が下にくる)

    ハ)「らるる」は自発の助動詞「られ」の連体形。

    ニ)「るれ」は可能の助動詞「れ」の已然形(「推しはから」に接続した場合に「るれ」を可能・自発・尊敬・受け身の中で「推し量る事が出来る」と言う作者の意見にしないと意味が通じない。 一見、「自発」もあてはまりそうだが、「自発」は自然に思われると言う事で使われるので「無意識」をベースにする。「家の造り(家居)に、様々な事(持ち主の人柄など)を推し量ると言う場合に、 これを「無意識に思う」とするのは飛躍であろう。)

    (6)

    イ)× ( かねて思ひつるままの顔したる人こそなけれ とある)

    ロ)○ ( 人も今見る人の中に思ひよそへらるるは とある)

    ハ)○ ( 我が心のうちも、かかることのいつぞやありしかとおぼえて とある)

    ニ)○ ( 直接は本文に触れるところは無い。が、その様な事象が起きた事に興味があるのでわざわざ書き留めたのである )