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伊勢物語:「渚の院」テスト問題
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伊勢物語:「渚の院」のテスト問題の解答
(1)
( ① ): たえて
( ② ): なかりせば
( ③ ): まし
②の「せば」と③の「まし」は 「せば~まし」「ましかば~まし」の
反実仮想
の重要な助動詞
( ⑤ ): いとど
( ⑥ ): めでたけれ
( ⑦ ): べき
⑥の「けれ」は過去のけれと言うよりは
詠嘆のけれ
⑦の「べき」は”散ればこそ”を受けて
係り結びの已然形
(2)
え 「え」は
呼応の副詞
の「え」として基本中の基本( 「え」~~ず 「をさをさ」~~ず 等 )
(3)
ななむ の「な」は完了の助動詞「な」の未然形、「なむ」は
願望の終助詞
。
「なむ」は他人に対する願望を表し(「ばや」「しか」の様に自己の願望を表すものでは無い)
未然形に接続する事
も覚える事。
(4)
い)
この傍線部の「なむ」は(3)の場合の願望の終助詞とは異なって、「給ひ」と言う連用形に接続をするので、完了の助動詞(強意の助動詞)「な」に意志の助動詞「む」が 組み合わさった「なむ」であり、完了よりも「強意」の方で訳する事になり
きっと~したい
と訳す。
主人である親王は酔ってきっと入ろうとする(「する」をなさるとするのも一考だが、明確に敬語がないのでそのままが無難)
ろ)
この傍線部の「なむ」も「隠れ」と言う連用形に接続をするので、完了の助動詞(強意の助動詞)と「む」と言う前の問題い)と同様に「強意」で訳す。
また、「すれば」と「ば」が
已然形に接続
をしているところから、
~~ので ~~だから
と訳す必要がある。
十一日の月もきっと隠れよう(沈もう)としているので、
(なお、平安時代の月齢は24日で一か月と言う組み立てになっており一日一時間ずつ出るのが遅くなっていく。満月である「十五夜」の月の出を18時・月の入りを6時とすると、 それより4日前の十一日月の月の入りは午前2時頃となる。)
は)
この傍線部の「なむ」は「あら」と言う未然形に接続をするので、(4)のい)で出てきた
終助詞のなむ
と言う事になる。
また、「まだきも」は「まだき(未だき)」と「も」がくっついて「早くも・もう」と訳する(少々レベル高し)。
月のかくるるか 「か」とあった場合に疑問・反語の係助詞を考える必要があるのは高校古文のお約束だが、反語として「いや~ない!」と言う意味で繋げられるかを考える事。
(なお、「か」「や」などが来た場合に「句切れ」と言う効果が生じる場合もあるので、これも検討を要す。今回の場合は
三句切れ
)
飽かないうちにもう月が隠れてしまうのか(ここで、
いや隠れない
とは訳せないので疑問と考える)。山の端が逃げて(月が)入らなければ良いのに。
(5)
い)
「てむ」は、「なむ」「てむ」とセットで覚えるべき古典文法の一つ。「なむ」の「な」と同様に、連用形に接続をする場合の「て」(完了・強意のて)に同じく「む」(意志のむ) がついた場合には(4)い)の場合と同じく
きっと~したい
と訳す。
ろ)
この場合の「なむ」は上記(4)い)の場合を再び持って来たのであり、要するに い) と ろ) は「強意」と言う訳し方で同じとなる。
(6)
「参る」は、通常謙譲語として使う場合がほとんどで、基本的には「行く・来る」と言う意味で使う。 但し、それは初歩中の初歩で高校レベルの古文になると
「さしあげる(give)」
と言う意味での使用にも気を付ける必要がでてくる。 今回の参るはまさにそれ。
(他方、尊敬語としては「食べる」「飲む」と言う事になるので要注意。ex 枕草子の伊周が食べたり飲んだりしているシーンがある)
(7)
い)
ずん
じ
ろ) みなせ
は) かみ、なか、しも
(8)
い) 和歌 ( やまと→大和→日本の事 : 唐歌(からうた)→から→中国→漢詩の事 )
ろ) 熱心に
は) 髪飾り
に) 身分の上の者、中くらいの者、下の者
(9) 在原業平(ありわらのなりひら)
(10) 次の選択肢の正誤を答えなさい
い) × ( 出世しなかったから忘れられたと言う訳ではなく、時代が長くたったのでと本文中にはある。実際には営為栄達出来なかった在原業平に慮った記述ではあろうから穿った見方としては〇になるだろう)
ろ) × ( 別に馬の頭であったからと言って狩猟に関する事を行っていた訳ではない。また、本文中に狩猟を熱心にはせず直ぐに酒を飲みとある。 )
は) ○
に) × ( 椎喬の親王は酒好きだが、在原業平(馬の頭)が飲んで褒めた記述はない。)
ほ) × ( 椎喬の親王は歌のテーマを出したが、そもそも(酒に酔って?)返歌を出来ない状態であった。)
(11)
( ① ): 在原業平
( ② ): 在原業平
( ③ ): 紀有常
( ④ ): つらい
( ⑤ ): 浮き世(「浮世」:現世の事)
( ⑥ ): 紀有常
( ⑦ ): 掛詞
( ⑧ ): 彦星(本当は「牽牛」の方が良いでしょう)
( ⑨ ): 宿
( ⑩ ): 午前2 (「時」は問題文に書いてあるので午前2時と書くと× 私立の学校のテストではこの手の問題は良く出されるので注意! ex(ポトシ銀)山 など なお、月の入りの時刻については(4)ろ)に参照)
( ⑪ ): 山
( ⑫ ): 空
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