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「孔子」と「仁」




      中国を統一していた周王朝(The kingdom of Zhou)が弱体化すると、王を戴きつつも、力ある各地の群雄が割拠する事になった。
      この時代を【春秋戦国時代(Spring and Autumn and Warring States period)】と呼称するが、各地の群雄が実質的な中国の再統一を目指す過程において国力の増進・民心の把握に意が払われ、それに応じるように様々な思想家が誕生することになった。彼らを【諸子百家(the hundred schools of Thought)】と呼び、その中でも数千年の長きに亘り中国本土のみならず日本を含む周辺のアジア地域に絶大な影響を与えたものの一つに【儒教(the philosophy of Confucianism)】がある。

      【儒教】は、魯の国の【孔子(Confucius)】によって始まり、【孟子(Mencius)】【荀子(Xunzi)】等に引き継がれ発展していくことになるが、開祖である孔子の死後に、孔子や弟子達の言行や問答を集めて編纂したものが【論語(Analects of Confucius)】と呼ばれる重要な書物である。

      論語の中で、 孔子は人に備わる徳を総合し融和した理想善たる【仁】なる概念を最高の位置付けとし、その実践による社会教化によって世を治めようとした(【徳治主義】)。


      【仁】とは:


       【仁】とは、全ての者に備わっているもので、表面上の事だけでなく内面から顕れる徳性を指す。(「巧言令色」:学而第一③)


      【仁の実践】とは:

        まず、親や年長者を敬い、孝養を尽くす(filial piety)と共に(学而)
        兄弟と仲良く暮らすことに務め

        同時に、自己を内省し、自分の身の上について考え(雍也第六㉚)
        他人を思いやり、他人に善意を分かち合う事(衛霊公第十五㉓)の実践を通じて

        連帯感の深まりを醸成して、それを社会や国家にまで拡げて行く事とした。


孔子の系譜