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答案の機械読み取りにご用心(2019年秋)


    最近の模試(だけでなく週のテストなども)の採点は機械がらくらくとこなすようで、これがなかなかにキビシイ採点をしてくれる。
    特に、四谷系の機械の採点はかなり”辛い”
    何が辛いかと言うと、「漢字」の読み取りで不明瞭・不明確なものは結構な頻度で×を出してくれる。
    これは実際に返却されてから答案チェックをする際に、どうしてこの「状態」で間違えなのだろうか?と思わせるような事も多い。
    ただ、これは誤解を恐れずに言うのであれば、元々きっちりと書いてある「字」であれば何の文句も無いのだが、【止め】や【はね】【はらい】が不明確であったり、三本が二本になっているような(あるいは三本が四本になっているような)そんな微妙な「字」になっているものが問答無用に×となっているのであって、逆に人間の優しい目が入らないだけに適正なトレーニングに繋がると思うのである。

    よく、「漢字を綺麗に書かないと×を喰らうよ?」と言っても「読めれば良いんでしょ?」などと返して来る生徒もいる。
    (下らないことだが)中学受験をする小学生は屁理屈・小理屈を返す事には良く頭が回る。
    そんな生徒達に「だって採点するのは人間では無く機械だからね?(笑)」と返すと「チェッ」と言って引き下がるのだが、そういう意味では生徒にしっかりとした「字」を書こうという動機付け(歯止め)になってくれる効果も一部にはあるので、ある意味、中学受験におけるITの恩恵(違う意味での絶対者[ゼウス=エクス=マキナ]の出現)を感じるところでもあるが、生徒さんの保護者の方にITや人工知能の権威の方がいらっしゃって「実はこの手の分野での【何が良くない】ということについては全然決まってないんですよね」と言うお話をして下さった事がある。
    そういう意味では「線引きを決めるのは人間(採点するのは人間)」という事にもなってくるのだが、生徒の中で確信犯的に「ここまでは機械が読み取れるんじゃない?」とか「機械が何処まで読みとれるのかを試してデータを集めている」という風な発言をするようになったらどうしよう?と思ったりもするのだが、それはそれで中学受験を通しての成長の一コマとも言えるので、「いい加減に機械を困らすんじゃありません」とだけ説教をしようと思うのである。

    少々脱線をしたが、確実に機械での読み取りは良くなっている(色々な限界事例も沢山習得している)とは言うものの、やはり「機械に読んでもらえない」というのは、余り読みやすい字では無いということでもあるから、やはり受験で言うお約束の「綺麗である必要は無いが読みやすい字を書きましょう」ということを目標に日々の練習に励むしかないのである。