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枕草子:すさまじきもの(験者のもののけ調ずとて~)解答

    (1)

    イ)げんざ ロ)どっこ ハ)ずず ニ)(こう)じ 

    (2)

    イ)調伏(もののけを退治・退散させること) ロ)念じる(「念ず」は我慢すると言う意味で使う事が多い) ハ)それほど

    (3)

    イ)終止形(「とて」は引用で使われるため、「とて」の前は終止形で終わる事が多い)

    ロ)いみじう(形容詞シク活用「いみじき」の連用形でウ音便)

    ハ)使役の助動詞「す」の連用形、「使役」の意味なので、主語である「験者」が持っているとするのはおかしくなる。 このような場合には、他のものが持っていると想像を働かす事が必要になるが、ここの部分では妖怪退治に関わる「よりまし」と言う人を験者が通常連れていると言う事を知っている人は皆無だと思うので 、知識として「よりまし」と言う存在を知っておいてくださいと。

    ニ)験者がもののけ(妖怪)を調伏するというので、たいそう得意顔で、独鈷や数珠を(よりましに)持たせて、せみの鳴くような声を絞りだして(お経を)読んで座っているけれども、 (4)

    イ)なく、あやし

    ロ)打消しの助動詞「ず」の已然形+接続助詞の「ば」(已然形+「ば」なので順接の確定条件として「~~ので」「~~だから」と訳す)

    ハ)(もののけが)退散しそうな気配(雰囲気)もなく、(よりましに)護法童子もつかないので、(皆が)集まり坐って念じていたが、男も女も変だと思うのに、

    (ここでは、再び、当時の修験道の知識の様なものが求められる部分である。「護法」とは「護法童子」と言う仏に仕える子供の事で、この存在が登場するかしないかが調伏の成否を担っていた。 先ほどの「よりまし(依り代)」に護法童子が憑くと調伏が上手くいったと言う具合になるので、その気配が見えない事に調伏の儀式に参加していた男女が不思議(変)だと思ったシーンである。 「あやし」は身分が低いと言う意味もあるが、ここでは「あやしい」と言うそのままの意味ではないとまずいだろう。)

    (5) イ)形容動詞「さらなり」の連用形、「さらに」→「ず」と下に打消しの言葉を伴って「まったく~~ない」と訳す。

    ロ)完了の助動詞「ぬ」の命令形

    ハ)時刻が変わるまで読み続けて疲れてしまい、「まったく(護法童子」がつかない。(よりましに)立ちなさい。」と言って、(よりましから)数珠を取り返して、 「ああ、まったく験(効果)がないな」と言って、

    (6)

    イ)完了の助動詞「ぬ」の連体形

    ロ)(いと)すさまじ。( イ)で「ぬる」が連体形で終わったと言う事に注意すべきなのは、通常文末は「終止形」で終わるはずなのに、「連体形」で終わったと言う部分である。 古文の場合に「連体形」が出てきたときに注意すべきなのは「強調」や「省略」と言う事で何かしらの細工がなされている事が多いからである。 「体言止め」→「強調」と言う詩や俳句の技法で出てきた事を思い出した時に、何かが隠れているな?と推測が出来るようになれれば、その人は相当に実力者と言う事になる。
    ここでは、「すさまじきもの」が筆者の中心命題なので、やはり「すさまじい」と言う趣旨の言葉を補いたい。)

    ハ)額より上のほう(の髪)をなで上げて、あくびを自分からして(物に)よりかかって寝てしまった。(のは興ざめである

    (7)

    イ)いみじう(形容詞シク活用「いみじく」の連用形でウ音便)、ねぶたし(形容詞ク活用「ねぶたき」の終止形)

    ロ)こそ→すさまじけれ

    ハ)たいそう、眠たいと思っている時に、それほど(自分が親しいとは)思っていない人が、おし起こしてきて、むりに話すのは、ひどく興醒めなことである。

    (8)

    験者が妖怪退治をする実力もなく、それをごまかすようにして自分から寝てしまう事と、その様な状況の行事の時に親しくもないのに語りかけてくる人の存在。