このページを Google Bookmarks に追加

古典文法の勉強の手順を教えてください


      古典文法として、受験において勉強の対象になるのは、主に「動詞」「形容詞」「形容動詞」「助動詞」「助詞」と5つのものについてですが、勉強を進めていく際には

      ①:どの様な形に接続できるのかを知る
      ②:どの様な形に変化(活用)するのかを知る
      ③:どの様に訳すのかを知る

      と言う3つの部分を押さえていく必要があります。

      ①は主に助動詞を学習する際に重要になりますし、②は動詞・形容詞・形容動詞・助動詞に関わります。 そして、③は動詞・形容詞・形容動詞・助動詞・助詞のすべてに関わります。

      要するに、①と②で文法の「形」を学習する事になるので同時並行で進む部分ですが、③ではその部分がどの様に訳すのかと言う場合に、単純に訳していける場合と、 「識別」と言って、同じ「読み」ではあるが意味を異にする場合が出てくるので、その場合の区別と意味の違いを押さえていく事になります。

      ですから、(1):「接続」「活用」を学習する (2):それぞれの意味を覚える (3):識別(数語が複合している場合)を出来るようになる

      と言う事について段取りをしていく必要があります。

      では、勉強の順序としてはどの様にするのか?

      文法学習の”ラスボス”的な位置づけとして認識されているのは、「助動詞」と言う事になってきます。
      それは、助動詞が一番変化に富むと言う事と、動詞や形容詞・形容動詞に接続する(くっついていく)ものであり、 言わば、前に存在する動詞や形容詞・形容動詞の存在が無くしては始まらないので(つまり、影響をモロに受ける存在なので)、 一番判断に手が掛かるモノだからです(要するに面倒くさい)。
      (そして、この助動詞がしっかり分からないと、文章の意味が分からないと言う罠に陥ります)
      ですから、この「助動詞」を攻略する事が、優先される事となってきます。

      しかし、「助動詞」攻略が重要とは言っても、「助動詞」の接続・活用・意味だけをやっていても余り効果は出てきません。
      ここが、文法問題の(と言うか言語系分野としての)厄介なところですが、 先にも書いたように、助動詞は他の「動詞」「形容詞・形容動詞」が先に来ると言う特質があるので、 最終的には「動詞」「形容詞・形容動詞」と「助動詞」がどの様に組み合わさるのか?と言う部分までやらないと、 ただ、助動詞が分かると言う事だけになってしまって、文法を使ってちゃんと訳すと言う事が出来なくなってしまいます。
      ですから、「助動詞」を重視して学習をしていくのは構わないけれど、 同時に「動詞」「形容詞・形容動詞」についてもローテーションを組んで回して下さいと言う事になります。

      個人的に考える古典文法の学習の順序としては、

      ①:まず動詞の種類と活用から始める。
      この際に、ある程度の活用のバージョンを押さえたら、上一段・上二段・下二段の出来が完全で無くても一応の終わりにする。
      (要するに、五段活用の活用の仕方、カ行・サ行・ナ行・ラ変を押さえたら、どんどん助動詞へシフトしていく)

      ②:次に形容詞・形容動詞の活用に入る。
      この場合も「ク活用」「シク活用」「ナリ活用」「タリ活用」と出てきますが、どの様な形に活用するか程度に留めて、大枠で活用が理解できれば、一応の終わりとする。 (そして、動詞と同じように助動詞へシフトしていく)

      ③:動詞・形容詞・形容動詞の仕組みを終えたら、助動詞に入って行く

      そして、動詞→形容詞・形容動詞→助動詞とローテーション。
      ただ、律儀に順序を守っても仕方が無いので、助動詞をメインに進めつつ、動詞や形容詞・形容動詞を挟みながら行う。
      (要するに、助動詞をベースにして他のものをまとめていくと言うやり方)

      助動詞は、活用表にあるように右から「る」「らる」「す」「さす」「しむ」から徐々に行くと言うやり方でも、 同じ接続の形(未然形に接続するもの、連用形に接続するもの、etc)から攻略していく場合、 覚えられるものから手あたり次第に進めていく場合、と、これは各人がやりやすいやり方で構わないと思います。

      そして、ある程度、助動詞を中心にした活用と意味のまとまりの区別ができる様になったならば、 次の関門である「識別」の学習に進むことになります。

      識別は、単純に「ぬ」と言う単語が問題になった場合に”打消し”の「ぬ」なのか、”完了”の「ぬ」なのかと言う事が問題になる場合と

      「なむ」と言う様に「な」+「む」で「なむ」になっている”強意”の場合と 一語で「なむ」となっている(願望の終助詞・強意の係助詞)場合、「死ぬ」「往ぬ」が「死なむ」「往なむ」と言う形で”ナ変”+”推量”になっている などの幾つかが組み合わさっている場合とが出てきます。

      ある意味、これが、この文法の学習の最終目標にあたる部分になります。
      なぜならば、これがしっかりと分からないと、古文の文章の意味が良く分からないと言う事になってくるからです。

      当然、出題者の方も、文法的に勉強しておいて欲しいところや、特殊な使い方をすると言う部分に傍線部を引いて和訳させたり、選択肢の問題にすると言う使い方をします。
      ですから、文法問題として単純に問われている問題が出題されるのであれば(もちろん、それをしないといけないですが)ともかく、大抵は本文の読解と絡んでの出題となるので 文法を甘く見ていると、単純な文法問題だけでなく、本文の読解でも点数を落とすと言う大参事に繋がります。

      この様な「識別」の問題は、「接続」や「活用」以上に厄介な問題と思われていたりもしますが、市販の問題集レベルをしっかりとこなしておけば十分です。
      一番の問題は、英語とかとは異なって、”やっては見たものの””習熟の程度が甘い”と殆ど役に立たないので、その点は気をつけてください。 なかなか、古典の文法にまで手が回らないと言う人も多いかと思いますが、文法は単語と並んで重要な要素ですから、ある程度の勉強時間を確保して臨んでください。