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再読文字 其之壱 「未」




    【再読文字】は、一つの漢字で二回読ませる事になるので【再読】という。

    【未】は【いまだ~~ず】と読む事になり、「まだ実現していない事(=すなわち未然形)」を意味する。

    白文:未

    訓読:未〇〇

    書き下し文:未(いま)〇〇

    (書き下し文では(いま) と「未」の右横に平仮名を付ける)

    ※ 但し、「未」だけでなく「返り点」「レ点」などをセットにして「未」に戻すように誘導しないと「~~ず」の「ず」に行かなくなるので注意。

    また【いまだ○○ず】ということで、「ず」を後ろに取る(接続する)と言う事から「○○」の部分は「未然形」にする。なぜならば(漢文で使う文法は古文の活用を使うので)「ず」は未然形に接続するからである。


    「未」は「〇○ず」と送り仮名となるのだが、上記の様に「ず」の下に「なり(也)」が来た場合には少し頭を使う。 基本的に漢文も古文の文法を使うので、「なり」は【断定のなり】ということで、連体形に接続をする。
    また漢文の送り仮名を送る際には歴史的仮名遣いの為に「古文での活用」を使うことになる。
    ここで注意する事が必要になるが、「ず」を漢文で使う際には「ぬ」「ね」は使わないとされる。
    そのため「連体形」に接続する【断定のなり】に接続するのは「ざる」となる。