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置き字:而




    【置き字】とは訓読をする際に読まない字のことをいう。

    これは、置き字の文法的役割が送りがなによって表されるためである。
    置き字の文法的な役割は「接続詞」「前置詞」「終尾詞」「語気詞」の四つがあり、「而」は「接続詞」としての役割(「順接」「逆説」)を持つ。

    【順接の場合】:~~テ ~~シテ と送る。

    【順接の場合】:~~ドモ と送る。


    上記には例として順接の場合と逆接の場合を挙げた。
    しかし、上記の「学びて思わざれば即ち罔し」は送りがなが「~~テ」となっていて順接ではないのか?と思われるところである。
    原則として「順接」か「逆説」かは「~~テ」か「~~ドモ」かで基本は判別をすれば良いと思われるが、この例の様に「学んだけれども罔わない」と言う意味になり「テ」だけど「逆説」と言う場合もあるので、やはり意味的なモノが正しいのかを考えて判断をして欲しい部分ではある。


    そして、忘れてならないのは【書き下し文】にする際には「而」を書かない(盛り込まない)という点である。書き下し文にする際には「~~テ(ドモ)」を仮名にして書くだけで足りる。


    【置き字】として「而」が使われない(機能しない)場合には、上の原則は当てはまらないので、「而」を読む事になる。

    「而」を置き字として使われない場合には「順接の接続詞」「逆接の接続詞」「代名詞」の三つの役割がある。

    【順接】: 「しかシテ」「しかウシテ」「すなは
    【逆接】: 「しか」「しかルニ
    【代名詞】:「なんぢ」

    と読むことになる。


    例としては「伯楽」を載せたが、この場合の「而る後に」は、接続詞「そして」と訳せるので【置き字】の様に思えるのだが、【置き字】の役割は文中において語句と語句を繫ぐものなので、文と文では無い事を合わせて覚えておくと良いだろう。