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歴史系学部での解答


    【総合選抜型入試】で直接の関係があるかはともかくとして、なかなかに面白い視点があったので載せておく事にしたい。

    「歴史系」の学部を出て、就職試験をする際に何と答えるのか?と言う点について

    試験官:
    「日本史はわが社にどの様に役に立つのか?」

    回答者:
    「自分は日本史を学んだ事によって、物事の裏を取る事の大切さを学び、世間に流布されている情報に振り回される事なく、信用に足る情報を取捨選択する思考や目を持つようになりました。この事は御社に入社した暁にも役に立つはずです。」

    試験官:
    「社会人として、物事の裏を取る事は当然では無いのですか?」

    回答者:
    「歴史においては、因果関係が重要で、物事の原因や法則から結果を導く事(演繹法)、或いは逆に結果から原因や法則を導く事(帰納法)を通して、事物を検証していきます。この際にそこに現れる因果関係を把握して、様々な仮説を立てて検証をしていく事が出来、その事は計画の立案や、結果の検証において有効に働くと思います。」


    まとめるとこんな感じのやりとりになるでしょうか。
    なるほど、「歴史学」がどの様に社会で有用になるのか?と言う意味で非常に参考になる一例です。
    個別具体的な事例の集積と思われがちな「歴史」の奥(或いは上)に、一つの媒介項を用いて社会と繋げるという思考法は、プラグマティックなアメリカ的な考え方の具現化でもありますが、文系の仕事の一つとして、物事を管理する上での「基準」を作ることを挙げる事ができますが、その際にも非常に有効な考え方だなと思う部分でもあります。
    (ちなみに、これは2020年07月21日に行われた四谷大塚の第二回合不合判定模試に出題されていたもの)

    そして、この考え方に似たようなものとして「PDS(Plan Do See)」などと横文字もビジネスでは語られたりもするので、それこそ「仮説検証」と言う【基準】を設けたならば、今度はそれをどの位やったのか、何の分野でやったのかと言うように整理をして行く。
    そんな事を準備して臨むとより説得力のある(欲しいと思われる)解答と言う事に繋がっていくと思います。