このページを Google Bookmarks に追加

なぜAO入試は小論文なのか?



    AO入試で課される課題が、なぜ通常の試験(学科試験)ではなく、小論文試験が主流なのかと言う事については
    ①:学習指導要領の改訂によって、従来の「ゆとり」「詰め込み」と言う択一的な事ではなく、思考力・表現力を育成するという中で

    A:「レポート作成」

    B:「課題解決的な学習」や「探求的な活動」

    と言う言語分野の充実が求められた事による影響が大きいのですが、

    加えて、このAとBによる言語分野の充実の指針として中央教育審議会が

    (1) 体験から感じ取った事を表現する
    (2) 事実を正確に理解し伝達する
    (3) 概念・法則・意図をなどを解釈したり説明したりする
    (4) 情報を分析・評価し論述する
    (5) 課題について構想を立てて実践し評価・改善する
    (6) 互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団を発展させる

    以上の6つの項目を挙げた、と言う事が影響しているかと思います。

    ②:そして、この中央教育審議会の指針とリンクする部分でもありますが、自分が何かに打ち込んできた (これは、スポーツであれ、文芸活動であれ、趣味的な何かであれ、語学的な研鑽であれ) ものがあるのであれば、それについての過程や達成の度合いについて自己の事を書くこと(表現する)ができるだろう、と言う 経験論的な裏付けに繋がっていくこと

    ③:そもそもAO入試自体が、通常の入試とは異なった別の視点での選考をすると言う目的がある以上は、 通常の学科試験とは違う角度でのテストを行う必要があり、 現時点では小論文(プラス面接)以外にその目的に沿う形のものが少ないことが挙げられます。

    ④また、AO入試の視点が通常の入試とは違うと言う部分から、単純な学業云々と言う事ではなく、 「入学を許可する事によるメリット」すなわち「即戦力」として機能し得る人材かどうか?と言う事が一つの視点として 盛り込まれてきています。これはなかなかに難しい要素ではあるのですが、ある意味AOと言う特別な枠を設けての選抜を行う以上は、 その基準を設ける際に、「やはり通常とは違う」と言う能力が付加されているとも言え、持っている能力(学業に加えてのそれまで培ってきた能力等) を生かす事が出来る能力(コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力)と言った社会人に求められる能力が必要にもなってきます。 要するに、仕事をする際に「企画書」を作ったり、それを上司や会議で許可を得るために必要な能力の前提として「小論文」が求められている、と言う事が出来るでしょう。

    色々とまどろっこしく書きましたが、AO入試は”実質上 就職試験”に類似していると考えて対策を練って行く事が吉となります。